「彩雲」ギター・ウクレレについて
当工房では「彩雲」というブランドで主にギター、ウクレレを製作しています。
もの作りに「完璧」は無いという信念の下、全ての工程を一人でコツコツ丁寧に製作しています。
「彩雲」ブランドのコンセプトとしては「プレーヤーの要望を考慮しつつ、私が心からお勧めしたいと思う楽器を作る」という事です。
うちのような小さな工房は当然大量の楽器を作る事を目的としている訳ではありません。
大きなメーカーではたくさんのプレーヤーに受け入れられる楽器を作らなくてはいけませんが当工房の楽器は100人に一人、1000人に一人、大ファンになって下さる方がいれば満足です。
その100人に一人、1000人に一人のプレーヤーの為に
私は自分の感性を信じて日々研究を進めています。
自分が心から良いと思った物は、多いか少ないかは分かりませんが、
必ずどこかに共鳴して下さる方がいると信じています。
製作へのこだわり
製作に関しては、常にもっと良い楽器は出来ないか、もっといい工法は無いかと試行錯誤しながら作っています。
はっきり言ってこの気持ちが無くなったらもう職人では無いと思っています。
現状に満足せずに常に変化しながら成長を計っています。
これは「彩雲」というブランド名の「雲」に由来します。
何か新しい事に挑戦すると大抵失敗しますが
懲りずにさまざまな事に挑戦します。
楽器のデザインに関しては極力シンプルにしています。
凝ったデザインも良いですが、やはり長く付き合っていこうと思うと
贅肉を削ぎ落としたシンプルな物が飽きが無く良いと思っています。
シンプルでありながらオリジナリティのあるデザインを目指しています。
修理へのこだわり
長く使ってもらう為の工夫もしています。
「彩雲」の楽器は全て修理のしやすさを考えて製作しています。
例えば接着は、ネックとボディの接合部、指板、ブリッジ、サイドとトップ・バックの接着はにかわで接着しています。
これは後々修理の際、剥がす場合もある箇所です。
にかわはボンドに比べ剥がしやすい為、修理がしやすいのです。
剥がしやすいという事は楽器のダメージも少ないという事です。
楽器のダメージが少ないという事は楽器が長持ちするという事です。
もう一つ例を述べるなら、ボディの内部は塗装しません。
なぜなら万が一ボディの板が割れた場合に
補強の板を貼る事が出来なくなるからです。
接着剤は塗装された箇所には効きません。
内部を塗装すれば過乾燥で割れにくいとされていますが、
内部を塗装した楽器が過乾燥で割れた症状を修理で何本も見ました。
さらに過乾燥以外にもぶつけた衝撃で割れる事もあります。
割れを補強出来るか出来ないかでは当然楽器の寿命にも関わってきます。
「彩雲」の楽器は私が1~10まで全て一人で製作しています。
作った楽器を一番知り尽くしている製作者が修理に携われるのも
小さな工房の楽器のメリットでは無いでしょうか。
この長い文章を最後まで読んで下さった方が
100人に一人、1000人に一人の大ファンになって下さる事を願っています。